Asthma Selected Papers Online

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10月上旬に2021.02-03の論文を掲載予定

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 2020年12月~2021年01月に発行された10論文を新たに追加しております。
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最新論文

Deletion of IL-4Rα signalling on B cells limits hyperresponsiveness depending on antigen-load.

Hadebe S, Khumalo J, Mangali S, et al.

【背景】B細胞は免疫グロブリンE(IgE)の分泌を通じてアレルギーにおいて重要な役割を果たす。インターロイキン4受容体α(IL-4Rα)は、アレルギー性喘息で中心的役割を果たしており、タイプ2サイトカイン産生、IgE分泌、気道過敏性(AHR)を調節する。IL-4によるB細胞の活性化は、クラススイッチに必須であり、Bエフェクター2(Be2)細胞の誘導に寄与する。Be2細胞およびB細胞におけるIL-4Rαを介したシグナリングの役割は十分明らかにはなっていない。本研究では、IL-4Rα応答性B細胞またはBe2機能が実験的アレルギー性喘息に不可欠かどうか検討した。【方法】B細胞上のIL-4Rαを欠損させたマウス(mb1creIL-4Rα-/lox)または対照マウス(IL-4Rα-/lox)と、B細胞上のIL-4またはIL-4/IL-13を欠損させたマウスを、高用量HDM(10μg超)または低用量HDM(3μg未満)で感作、チャレンジした。感作前日またはチャレンジ前日に、ナイーブIL-4Rα-/loxまたはIL-4Rα-/-B細胞をμMT-/-マウスに養子導入した。肺炎症、細胞浸潤、AHRを解析した。【結果】特に抗原負荷が少ない場合に、十分なTH2アレルギー性免疫応答にB細胞上でのIL-4Rαシグナリングが重要であることが明らかになった。B細胞上でのIL-4Rαシグナリングは胚中心形成に不可欠であり、アレルギー性応答のエフェクター相に必須であった。Be2細胞はAHRには必須であったが、その他のパラメータにはそうではなかった。【結論】B細胞上でのIL-4Rαシグナリングは、特に抗原負荷が少ない場合に、十分なTH2応答、Be2機能、胚中心形成、濾胞性ヘルパーT細胞に寄与するため、アレルギー性喘息には有害である。

J Allergy Clin Immunol. 2020;148(1):S0091-6749(20)32425-8.

NEW

Peripheral airways type 2 inflammation, neutrophilia and microbial dysbiosis in severe asthenia.

Azim A, Green B, Lau L, et al.

【背景】IL-13は、喘息の臨床病態において中心的役割を果たす典型的なT2サイトカインである。IL-13応答遺伝子は、喘息患者の中枢気道上皮で発現が亢進しており、重症喘息でも高用量の吸入ステロイド療法により正常化することができるが、末梢気道ではそうではない。本研究では、気管支肺胞洗浄液(BAL)解析により、重症喘息患者の末梢気道におけるIL-13の役割に関する理解を深めることを目的とした。【方法】重症喘息(78例)を含む喘息患者と健常被験者の計203例からBAL検体を採取した。多項目サイトカイン免疫測定プラットフォームにより炎症性メディエーターを測定した。この分析はさらに被験者59例を対象に再検され、末端標識制限酵素断片多型分析法によりBAL検体の16S rRNA解析を行った。【結果】高用量吸入ステロイド薬の投与にもかかわらずBAL中IL-13が高値を示す重症喘息患者は、IL-13濃度が正常範囲である患者と比較して、肺機能の重症度が高く、BAL中好中球百分率が有意に高かったが、BAL中好酸球については高くなかった。この結果は第2のコホートで再現され、BAL中IL-13および好中球増加と、末梢気道の病原性細菌の増加との関連も認められた。【結論】重症喘息に伴うBAL中好中球増加および細菌叢の異常と関連するIL-13のステロイド抵抗性が明らかになった。本研究によって、重症喘息の生物学的複雑さと、本疾患において末梢気道の自然および適応免疫応答についての理解を深めることの重要性が明確になった。

Allergy. 2021;76(7):2070-2078.

NEW

A real-life comparative effectiveness study into the addition of antibiotics to the management of asthma exacerbations in primary care.

Murray CS, Lucas SJ, Blakey J, et al.

【背景】喘息増悪は喘息の死亡の主な寄与因子である。喘息増悪の管理には気管支拡張薬や経口ステロイド薬(OCS)が使われることが多いが、臨床試験のエビデンスから抗菌薬の有用性も示唆されている。本研究では、日常診療で遭遇する患者からなる大規模集団を対象に、抗菌薬をOCSに併用すると喘息増悪の転帰が改善するかどうか検討した。【方法】Optimum Patient Care Research Databaseを用いて、喘息増悪例に対するOCS単独とOCS+抗菌薬併用の有効性を比較する後ろ向き研究を行った。患者28,637例のデータセットを用いて傾向スコアマッチングを行い、成人20,024例と小児4,184例を解析対象とした。【結果】喘息増悪に対して抗菌薬+OCS併用を行った患者は、成人の45%、小児の32%であった。OCS単独と比較して、OCS+抗菌薬併用では、翌2週間に喘息/喘鳴で受診するリスクが低下したが(小児でHR 0.84、95%CI 0.73-0.96、p=0.012;成人でHR 0.86、95%CI 0.81-0.91、p<0.001)、成人に限っては、6週間以内に喘息増悪の新規発現/持続のためOCSをさらに処方されるリスクが上昇した(HR 1.11、95%CI 1.01-1.21、p=0.030)。成人と小児のどちらにおいても、ペニシリン系薬剤はOCS単独と比較してその後の喘息/喘鳴による受診のオッズの低下と関連したが、マクロライド系薬剤ではそうではなかった。【結論】抗菌薬は、ガイドラインの推奨に反して喘息増悪に関連して処方されることが多いが、特に抗菌薬濫用のリスクを考慮すると、喘息増悪例に対して抗菌薬をOCSに日常的に併用することで得られる臨床的ベネフィットはほとんどないと考えられた。

Eur Respir J. 2021;58(1):2003599.

Long-term exposure to low-level air pollution and incidence of asthma: the ELAPSE project.

Liu S, Jørgensen JT, Ljungman P, et al.

【背景】長期間に渡る周囲の大気汚染への曝露は小児発症喘息と関連づけられてきたが,エビデンスはいまだ不十分である。われわれは多施設共同プロジェクト”Effects of Low-Level Air Pollution: A Study in Europe”(ELAPSE)において、PM2.5、二酸化窒素(NO2)、ブラックカーボン(BC)への長期曝露と成人における喘息の発症率との関連を検討した。【方法】われわれは、喘息の病院での診断に関する情報のあるデンマークとスウェーデンにおける3つのコホートからのデータを統合した。2010年における大気汚染物質の平均濃度は、参加者のベースライン時の住所においてhybrid land use regression modelによってモデル化された。大気汚染への曝露と喘息発症の関連は、潜在的交絡因子を調整して、コックス比例ハザードモデルを用いて検討された。【結果】98,326例の参加者のうち、1965例が平均16.6年の追跡期間中に喘息を発症した。完全調整モデルにおいて、ハザード比と95%信頼区間がPM2.5については5 μg·m-3ごとに1.22(1.04-1.43)、NO2については10 µg·m-3ごとに1.17(1.10-1.25)、BCについては0.5 10-5 m-1ごとに1.15(1.08-1.23)であることから関連性を認めた。EUおよびUSの限界値より曝露レベルは低かったが,ハザード比は本研究のコホート集団でより高かった。おそらくPM2.5およびNO2・NO2およびBCの基準値に対するWHOのガイドラインはPM2.5の2つの汚染モデルを用いて変更されていないが,PM2.5の推定値は1つに収斂できる。濃度反応曲線は閾値に到達しなかった。【結論】自動車交通など特に化石燃料の燃焼発生源に由来する大気汚染への長期曝露は、たとえ現行の限界値を下回るレベルであったとしても、成人喘息と関連していた。

Eur Respir J. 2021;57(6):2003099.

Asthma in a large COVID-19 cohort: Prevalence, features, and determinants of COVID-19 disease severity.

Caminati M, Vultaggio A, Matucci A, et al.

【背景】COVID-19患者の喘息有病率はかなり低いようであるが、COVID-19に罹患した喘息患者の臨床像や易感染性/転帰不良の決定因子に関する検討はほとんど行われていない。本研究では、COVID-19のため入院した患者の喘息有病率と特徴を報告し、喘息の臨床像とCOVID-19重症度の関連を検討した。【方法】イタリア6都市にある主要病院のCOVID病棟に入院した患者の診療記録を調査した。COVID-19の転帰(死亡/人工呼吸が必要 vs. 侵襲的処置を必要とせず退院帰宅)に従って、患者背景と臨床データを分析、比較した。【結果】COVID病棟の患者集団(2,000例)の喘息有病率は2.1%であった。喘息患者の平均年齢は61.1歳で、60%が女性であった。約半数の患者がアトピー体質であり、ほとんどの患者の血中好酸球数は正常であった。COVID病棟入院前の6ヵ月間に18%の患者で喘息増悪が報告されていた。24%がGINAステップ4/5の喘息患者であり、5%が生物学的製剤を使用中であった。31%の患者は定期的な治療を受けておらず、経口ステロイド薬の服用患者はごく少数であった。転帰不良群では男性が多く(64% vs. 29%、p=0.026)、喘息重症度がより高く(43% vs. 14%、p=0.040)、現喫煙者/既喫煙者の割合が高かった(62% vs. 25%、p=0.038)。【結論】イタリアの初の大規模なCOVID-19入院患者を対象とした研究で、COVID-19患者の喘息有病率は低いことが確認されたが、GINAステップ4/5の喘息患者や適切な治療を受けていない患者は高いリスクにあると考える必要がある。

Respir Med. 2020;176:106261.

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下記雑誌に掲載された喘息に関する論文のうち、注目すべき論文を3人の編集委員が厳選。病態、疫学、診断、治療の4分野に分け、各論文を簡単な要約で紹介しています。

※現在316論文紹介しています。

【対象雑誌】
  • Allergy、 Am J Respir Cell Mol Biol、 Am J Respir Crit Care Med、 Ann Am Thorac Soc、 Ann Intern Med、 Chest、 EMBO J、 Eur Respir J、 Front Cell Infect Microbiol、 Immunity、 Int J Mol Sci、 J Allergy Clin Immunol、 J Allergy Clin Immunol Pract、 J Clin Invest、 J Exp Med、 JAMA、 Lancet、 Lancet Respir Med、 Medicine(Baltimore)、 N Engl J Med、 Nat Commun、 Nat Med、 Proc Natl Acad Sci USA、 Pulm Pharmacol Ther、 Respir Med、 Respirology、 Science、 Thorax、 など
【編集委員】
  • 一ノ瀬 正和 先生(大崎市民病院アカデミックセンター監理官)
  • 井上 博雅 先生(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科呼吸器内科学教授)
  • 長瀬 洋之 先生(帝京大学医学部内科学講座呼吸器・アレルギー学教授)