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最新論文

DEL-1, as an anti-neutrophil transepithelial migration molecule, inhibits airway neutrophilic inflammation in asthma.

Jia M, Fu H, Jiang X, et al.

【背景】気道への好中球遊走は好中球性喘息における重要なプロセスの一つである。細胞外マトリックス蛋白質であるdevelopmental endothelial locus-1(DEL-1)は、好中球性炎症を減弱する好中球接着阻害因子である。【方法】喘息患者の呼気凝縮液(EBC)および血清中のDEL-1濃度をELISAで測定した。また、in vitro共培養モデルを用いて、好中球の接着および上皮間隙遊走のDEL-1による調節を検討した。さらにマウスを用いて、アデノウイルスベクターによるDEL-1過剰発現が卵白アルブミン/リポポリサッカライド(OVA/LPS)誘発好中球性喘息に及ぼす影響をin vivoで検討した。【結果】DEL-1は、主にヒト気道上皮細胞に発現し、喘息患者で減少していた。血清中のDEL-1濃度は、健常被験者と比較して重症喘息患者で低く(567.1±75.3 pg/mL vs. 276.8±29.36 pg/mL、p<0.001)、血中好中球(r=-0.2881、p=0.0384)および好中球/リンパ球比(NLR)(r=-0.5469、p<0.0001)と負の相関を示した。重症喘息患者のEBC中のDEL-1濃度(113.2±8.09 pg/mL)は、同じく健常被験者(193.0±7.61 pg/mL、p<0.001)に比べて低く、喘息コントロールテスト(ACT)スコア(r=0.3678、p=0.0035)と正の相関を示し、喘息患者のEBC中のIL-17(r=-0.3756、p=0.0131)、ミエロペルオキシダーゼ(r=-0.5967、p=0.0055)および好中球エラスターゼ(r=-0.5488、p=0.0009)発現と負の相関を示した。喘息患者における好中球の接着および上皮間隙遊走はLFA-1のICAM-1との結合と関連し、DEL-1によって阻害された。ヒト気道上皮細胞におけるDEL-1のmRNAおよびタンパク発現はIL-17によって調節された。外因性DEL-1は、IL-17によって増強した好中球の接着および遊走を阻害した。好中球性喘息マウスモデルの気道では、DEL-1発現が減少すると好中球浸潤が増加し、この現象はDEL-1の過剰発現によって抑制された。【結論】DEL-1の発現減少は、気道上皮細胞を通過する好中球遊走を招き、喘息における好中球性気道炎症と関連することが示唆された。

Allergy. 2024;79(5):1180-1194.

Lung function trajectories in a cohort of patients with moderate-to-severe asthma on mepolizumab, omalizumab, or dupilumab.

Nopsopon T, Barrett NA, Phipatanakul W, et al.

【背景】肺機能は死亡の独立した予測因子である。本研究では、生物学的製剤治療を受けている気管支喘息患者のコホートを対象に、肺機能の経時的推移を評価した。【方法】マサチューセッツ州ボストンの大規模な医療システムから、それまでモノクローナル抗体の投与歴がなく、2010~2022年にオマリズマブ、メポリズマブ、デュピルマブのいずれかの投与が開始された中等症~重症喘息の成人患者229例を特定した。一般化加法混合モデルを用いて、生物学的製剤の投与開始から156週間の肺機能の経時的推移を推定した。FEV1の改善または年間低下率が0.5%以下の場合を治療反応性ありと定義した。Kaplan-Meier推定量を用いて、治療反応性あり例においてFEV1のさらなる改善がみられなくなるまでの期間を評価した。すべてのモデルを、年齢、性別、BMI、喫煙状況、ベースラインの増悪率・血中好酸球数で調整した。【結果】メポリズマブ投与患者は88例、オマリズマブ投与患者は76例、デュピルマブ投与患者は65例であった。ベースラインの好酸球数は、メポリズマブ群が最も高く(405cells/μL)、オマリズマブ群が最も低かった(250cells/μL)。メポリズマブ群ではFEV1(+20mL/年)とFVC(+43mL/年)がどちらも改善した。オマリズマブ群では、1年目の初めに改善したが、その後は低下し、全期間でみるとFEV1低下量は-44mL/年、FVC低下量は-32mL/年となった。デュピルマブ群では、FEV1(+61mL/年)とFVC(+74mL/年)がどちらも全期間で改善した。治療反応性あり例の割合はメポリズマブ群が50%、オマリズマブ群が58%、デュピルマブ群が72%であった。治療反応性あり例でFEV1のさらなる改善がみられなくなるまでの期間(中央値)は、オマリズマブ群が24週間、メポリズマブ群が48週間、デュピルマブ群が57週間であった。【結論】今回の臨床コホートでは、メポリズマブ、オマリズマブ、デュピルマブはFEV1とFVCに対して有益な効果を示したが、それぞれの薬剤群における治療開始後のFEV1とFVCの経時的推移は明確に異なっていた。

Allergy. 2024;79(5):1195-1207.

A Novel Air Trapping Segment Score Identifies Opposing Effects of Obesity and Eosinophilia on Air Trapping in Asthma.

Leung C, Tang M, Huang BK, et al.

【背景】肺のCTにおける密度閾値は、肺全体の空気とらえこみ現象(air trapping:AT)を定量することができるが、特定の気管支肺区域のATを知る手がかりにはならない。【目的】本研究では、気管支喘息でみられるATの区域別の指標を適用し、気管支喘息におけるATの臨床的決定因子を調べた。【方法】気管支喘息患者199例の肺CT画像における19の気管支肺区域のそれぞれについて、肺野の15%以上で呼気時の肺のX線吸収値が-856 Hounsfield unit未満の場合にATが存在すると定義した。結果として得られるATの区域スコア(0~19)を患者アウトカムと関連付けた。【結果】ATは肺区域によって異なり、患者レベルおよび肺区域レベルで3年間以上持続する傾向を示した。ATが広範囲(10区域超)に及ぶ患者では喘息重症度が高かった(p<0.05)。BMIが30を超える患者のAT区域スコアの平均値(±SD)はBMIが30未満の患者よりも低く(3.5±4.6 vs. 5.5±6.3、p=0.008)、肥満患者で下葉区域にATが認められる頻度は上葉および中葉区域よりも低かった(35% vs. 46%、p=0.001)。喀痰中好酸球が2%超の患者のAT区域スコアは、喀痰中好酸球増加のない患者よりも高かった(7.0±6.1 vs. 3.3±4.9、p<0.0001)。ATが認められる肺区域は、ATが認められない肺区域よりも気道粘液栓の発生頻度が高かった(48.0% vs. 18.0%、p≦0.0001)。【結論】気管支喘息患者では、気道好酸球増加および気道粘液栓のみられる患者でATの程度が高いのに対し、肥満患者では下葉区域が影響を免れているためにATの程度が低いことが示された。

Am J Respir Crit Care Med. 2024;209(10):1196-1207.

Improved ambient air quality is associated with decreased prevalence of childhood asthma and infancy shortly after weaning is a sensitive exposure window.

Chen T, Shi S, Li X, et al.

【背景】都市部の大気の質は過去10年間で大きく改善した。小児喘息の有病率がトップクラスに高い上海では有病率が今なお上昇傾向にあるのかどうか、大気の質の改善は小児喘息にとって有益かどうか、どの程度の曝露期間が決定的な役割を果たすのかは不明である。【目的・方法】反復横断デザインを用いて、上海の就学前児11,825例を対象に2011年には個々の調査、2019年には併合調査を行い、生後早期の粒子曝露と喘鳴/喘息との関連を解析した。【結果】2019年は2011年よりも医師の診断による喘息(DDA)(6.6% vs. 10.5%、p<0.001)および喘鳴(10.5% vs. 23.2%、p<0.001)の有病率が有意に低かった。微粒子状物質(PM2.5)、粗大粒子(PM2.5-10)、吸引性粒子(PM10)への曝露は、2019年には子宮内でそれぞれ6.3%、35.4%、44.7%減少し、乳幼児でそれぞれ24.3%、20.2%、31.8%減少した。マルチレベル対数二項回帰分析の結果、子宮内曝露で調整後、乳幼児期の曝露は喘鳴/DDAと独立して関連することが示された。PM2.5、PM2.5-10、PM10の乳幼児期曝露の四分位範囲増加あたりのDDAのオッズ比は、それぞれ1.39(95%CI 1.24-1.56)、1.51(95%CI 1.15-1.98)、1.53(95%CI 1.27-1.85)であった。分布ラグ非線形モデルにより、sensitive exposure window(SEW)は生後5.5~11ヵ月であることが示された。層別解析で、SEWは離乳時または離乳直後であることが示されたが、これは完全母乳期間が6ヵ月未満の場合のみであった。【結論】大気中のPMの改善は小児喘息の有病率低下に資することが示された。本研究は、離乳時または離乳直後のPMのSEWと小児喘息の関係を示した初の報告である。

Allergy. 2024;79(5):1166-1179.

Ventilation Heterogeneity Is a Treatable Trait in Severe Asthma.

Gibson PG, Urroz Guerrero PD, Poon C, et al.

【背景】換気不均一性(VH)は気管支喘息の特徴の1つであり、末梢気道病変を示している。核医学画像法でVHを評価することで、臨床診断の一助となり、病因の理解が深まる可能性がある。【目的】本研究では、肺換気/血流単一光子放射型断層撮影法(V/P SPECT)を用いて重症好酸球性喘息(SEA)患者のVHを評価し、SEA患者の換気障害に対する生物学的製剤治療の効果を調べる際の客観的検査としての利用可能性を評価した。【方法】18歳以上の成人重症喘息患者を対象とする横断的観察研究を行い、参加者に臨床評価とテクネガスを換気剤として用いたV/P SPECT CTを実施した。生物学的製剤投与を開始したSEA患者を対象として治療前後の比較研究のため、測定を繰り返し実施した。【結果】重症喘息患者62例を組み入れ、このうちSEA患者38例を治療前後の比較研究の対象とした。VHは、肺機能障害などの臨床評価項目と関連し、重症喘息群ではモノクローナル抗体投与後に有意に改善した。VHの変化は、気管支拡張薬投与後の%FEV1(r=-0.503、p=0.001)およびFEV1/FVC(r=-0.415、p=0.01)の変化と相関していた。【結論】VHは臨床的に重要で、測定可能かつ治療可能であり、重症喘息における治療可能な特徴であると考えられた。

J Allergy Clin Immunol Pract. 2024;12(4):929-935. e4.

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下記雑誌に掲載された喘息に関する論文のうち、注目すべき論文を3人の編集委員が厳選。病態、疫学、診断、治療の4分野に分け、各論文を簡単な要約で紹介しています。

※現在676論文紹介しています。

【対象雑誌】
  • Allergy、 Am J Respir Cell Mol Biol、 Am J Respir Crit Care Med、 Ann Allergy Asthma Immunol、 Ann Am Thorac Soc、 Ann Intern Med、 Cell、 Chest、 EMBO J、 Eur Respir J、 Front Cell Infect Microbiol、 Immunity、 Immunology、 Int J Mol Sci、 J Allergy Clin Immunol、 J Allergy Clin Immunol Pract、 J Clin Invest、 J Exp Med、 JAMA、 Lancet、 Lancet Respir Med、 Medicine(Baltimore)、 N Engl J Med、 Nat Commun、 Nat Med、 Nature、 Proc Natl Acad Sci USA、 Pulm Pharmacol Ther、 Respir Med、 Respir Res、 Respirology、 Science、 Thorax、 など
【編集委員】
  • 一ノ瀬 正和 先生(大崎市民病院アカデミックセンター監理官)
  • 井上 博雅 先生(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科呼吸器内科学教授)
  • 長瀬 洋之 先生(帝京大学医学部内科学講座呼吸器・アレルギー学教授)